29 May 2024

Responsibility

Homegrown Denim

A black and white picture of cotton cartoons that are smiling with a home

G-Starは、デニムの作り方や、使い方、穿き方の限界に挑戦しています。デニムの原料となる綿花は、私たちにとって欠かせない素材であり、「Homegrown Denim (ホームグロウン・デニム)」は、世界中の綿花栽培による環境フットプリントを減らすために、温室栽培の綿花を使用するという先駆的な試みです。これはすべて、最高のデニムを作るという私たちの使命の一環です。この信念は、綿花の栽培地や栽培方法から、サプライチェーン、そして最終製品であるG-Starデニムジーンズに至るまで貫かれています。

THE IDEA

より持続可能なデニムを目指す中で、私たちは、ジーンズの生産を一つの国だけで完結させることは可能だろうか、と考えました。つまり、G-Starの本社があるオランダ国内で栽培・加工された綿花でデニムを作り、綿花の栽培や、生産、輸送による影響を軽減あるいは排除し、その過程で綿花の栽培プロセス全体を最適化するのです。私たちは、持続可能な温室で綿花を栽培しているDutch Cotton社と、ヴァーヘニンゲン大学・研究センターと協力して研究を行いました。

Step 1 :綿花の栽培

私たちは、オランダのブライスヴァイクにある研究施設で、温室栽培された綿花を6か月にわたり研究し、環境負荷を従来の方法と比較しながら、品質や、収穫量、繊維の特性を調査しました。精密灌漑(植物に最適な生育条件を提供するために、適切なタイミングと場所で、少量ずつ水と養分を植物に散布することを可能にする独自の持続可能な農業アプローチのこと)や再生可能エネルギーなど、環境への影響を軽減する方法を検討し、経済的な実現可能性や市場の可能性も分析しました。
a picture of a bunch of cartoon flowers

「私たちの好奇心とイノベーションへの意欲が、温室での綿花栽培の実現可能性を研究するこの提携につながりました。この画期的な試みは、水の消費と土地の使用を大幅に削減し、化学農薬を使用しないことで、綿花栽培に革命をもたらす可能性があります」

レベッカ・サンチョ(G-Star サステナビリティ責任者)

結果:初の温室栽培綿花とその調査結果

全体として、温室での綿花栽培は管理・保護された環境を提供し、作物の生産性と持続可能性を高め、屋外栽培に伴うリスクを低減することがわかりました。

見つかった8つの主な利点は次のとおりです。

  1. 収穫量の増加: 温室は綿花の収穫量を増加させます。草丈は最大4メートルに達し、綿花の生産量は5倍〜23倍にもなります。
  2. 栽培期間の延長:温室内の管理された環境により、通常よりも長期間にわたる綿花の収穫が可能になります。
  3. 天候からの保護: 温室栽培された綿花は、より清潔で白く、汚染も最小限に抑えられ、天候による損傷から保護されます。
  4. 病害虫の管理:閉鎖環境は自然に病害虫を抑制するため、合成農薬を使用する必要がなくなります。
  5. 水効率:温室システムは、雨水を灌漑に再利用することで、綿花1キロあたり最大約95%の水を節約することができます。
  6. 土壌保全:鉢で栽培することにより、土壌浸食を最小限に抑え、品質を損なうことなく土地の肥沃度と健康状態を維持することができます。
  7. 現地生産:温室は、輸送の必要性を最小限に抑え、地域社会のレジリエンスを高めることで、地域経済と持続可能性をサポートします。
  8. 植物の長寿命化: 温室環境により、複数の季節にわたる植物の栽培が可能になり、持続可能性と生産性が向上します。
a person with a blue shirt looking at a plant

Step 2 :デニムの生産

一般的なジーンズは、製造過程で最大2万kmもの距離を移動することをご存知でしょうか?私たちは地元のサプライヤーと協力して、地元で調達・製造された初のジーンズを作り、サプライチェーンの距離をわずか644kmに短縮しました。綿花の加工と衣服の生産のあらゆる過程、つまり綿繰り(綿花から種子を取り除く作業)から紡績、織布、縫製、染色、仕上げまで、すべてオランダ国内で完結しています。また、私たちは地元のサプライヤー間で電気自動車を使用し、環境への影響を最小限に抑えた最短のサプライチェーンを構築しました。
Cotton and Ginning Wageningen University & Research (Bleiswijk), Dutch Cotton B.V. (Amsterdam)
綿花栽培と綿繰り ヴァーヘニンゲン大学・研究センター(ブライスヴァイク)、Dutch Cotton B.V.(アムステルダム)
two men are working on a machine that is cutting cotton
綿花栽培と綿繰り Dutch Cotton B.V.(アムステルダム)
a close up of a machine that is spinning a thread
紡績 Spinning Jenny(ナイフェルダル)
two people working on a machine in a factory
製織 Enschede Textielstad(エンスヘーデ)
a woman holding up a piece of fabric in a factory
縫製・裁断 G-Star本社(アムステルダム)
a woman in blue overalls hanging clothes on a clothesline
染色 Blueprint Amsterdam(ラインデン)
a person is sewing a label onto a pair of jeans
ラベリング EE Labels, Van Engelen & Evers B.V.(ヘーゼ)

これから

これは、より持続可能な綿花栽培に向けた前途有望な旅の始まりにすぎません。私たちは現在、実用的な綿花栽培と生産規模の拡大を模索するオランダ国産デニムプロジェクトの第2段階にあります。栽培方法の最適化に加えて、今年の主な目標は、1平方メートルあたりの綿花収穫量を1.2kgから2.2〜2.5kgに増やすことです。その次の段階では、他の業界関係者にも協力を呼びかけ、共同投資を行い、取り組みを拡大することで、大きな影響力を生み出し、全体の利益のためにファッションのサプライチェーンを再構築する予定です。

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